美しさと機能性のパイオニア
イッタラのルーツは、フィンランドの南部にある同じ名前の村でガラス工場を建設した1881年に遡ります。当初イッタラは、ヨーロッパモデルに従って、吹きガラス、型押しガラス、磨きガラス、彩色ガラスおよび彫刻ガラスを作っていました。20世紀初頭、食器類に様々な装飾が施されるようになりました。イッタラは、装飾本位のディナーセットを機能的かつ美しい、プログレッシブなスカンジナビアン・デザイン作品へと変えた最初の企業の一つでした。時代の壁を打ち破る動きが沸き起こったのは、1930年代から40年代のモダニズム、ファンクショナリズムの芽生えとともにでした。それは当時、イッタラ・ブランドの開発を率いるアルヴァ・アアルト、アイノ・アアルトおよびカイ・フランクらパイオニア達の手によりもたらされました。彼らの信念は、デザインはすなわち思想であり、かつ誰にでも手に入るようなものにすべきだというものでした。イッタラ・デザインの哲学の基礎を作ったのはアールトとフランクのこの考えでした。すなわち、旧来の考えにとらわれず、美しさと機能性をすべての人のものにすることでした。
それはフィンランドのデザインに新しい地平を切り開き、1950年代および60年代にイッタラが率いるガラス製品のラインナップを変えました。イッタラのもたらす新しい美学と機能性は、フィンランドのガラス製品のデザインに影響を与える一方で、ほとんどの他の国は、まだ従来の広範囲に渡るガラス製品のラインナップを使っていました。シンプルでモダンなデザインは、重々しいカット・クリスタルに取って代わりました。